Manon Clouzeau 色のたとえ話

 

Manon Clouzeau Exhibitionを無事に終え、多くの皆さまに愉しんでいただけたことをとてもうれしく思います。
足を運んでくださいました皆さまありがとうございました。

マノンの作品と毎日触れ合っていると、自然と心は穏やかに、そして柔らかな空気に包まれているようなそんな心地良さを感じる日々でした。

彼女の静かな情熱や澄んだエネルギーが作品のひとつひとつから伝わってくるような。。

時折マノンから届くメッセージも嬉しく、遠くから見守っていてくれていることにも心が温かくなりました。

マノンの小さな器の世界はその色彩もとてもやさしく美しく。
二つと無い色の世界は私たちをさらに魅了し惑わせました。

並ぶ器を上から観ていると、小さく深く広がる夜空がたくさんあるように感じたり、”この空は夜の深い色だね、この色は朝に向かい始めた空の色、この色は夕焼けかな、これは空の向こうにある宇宙が見えそう“ などと話しながら、 色の世界へ吸い込まれていくように、飽きることなく毎日その景色を愉しみました。

展示が始まる前にキュレーターの志穂子さんにマノンの器の色彩について質問をしました。
”色を作るとき、どんなものを混ぜ合わせるの?”と。
その時に志穂子さんがマノンへ聞いてくださり、
マノンからの返事がお菓子作りに例えて説明をしてくれていたことが素敵だなと思い、書き留めておこうと思います。

“陶器はひとつだけの釉薬で焼いても、融点に達さずうまく焼けなかったり、おもしろい化学反応は起こらないの。そのためいくつもの材料を混ぜ合わせて、自分だけのレシピを見つけなくてはいけなくて、それは料理に似てるのよ。
砂糖、小麦粉、林檎、チョコレート...砂糖だけや小麦粉だけではおいしくならないでしょ。タルトシトロンやタルトショコラを作るときに、卵を入れたり入れなかったり、混ぜたり混ぜなかったり...それによっていろいろな料理のレシピを作り出すことができるでしょ。それは限りのない遊びのようなもの。
料理と同じ。器に付けるそれぞれの釉薬は、土の種類によって色彩が変化するし、例えばブルーの器は…赤土が作用したり、ピンクの器は…黄土によって…というように。”

マノンの詩にもあるように、彼女の器は私たちの日常のひとと時の喜びとなり、我が家でも毎日テーブルには彼女の器が料理とともに並びます。



 
kanako yamane