08.2023 making original clothes
フランスで出逢う美しい織物たち。
何年も前に、その美しさに魅せられて手にとったシルクの織物。
日本へ持ち帰り、一本のパンツを仕立てたことを覚えています。
そのパンツを手に取って下さった方は、とても気に入ってくださり何度も着用してくださいました。ですが、その生地はとても古く繊細な生地でしたので、生地が傷むことも多く、その度にお直しをさせていただいていたことを思い出します。
最後は手を尽くすことができずに着れなくなってしまいましたが、そこまで気に入ってたくさん着て頂けたことはとても嬉しかったです。
私もその生地をとても気に入っていたので、端切れをずっと大切に手元に置いていました。
そして何年かした後に、アンティーク生地の再現をして洋服を仕立てる事ができたら素敵だなと思い始め、
パンツが履けなくなってしまったことを残念に思う彼女にもまた喜んでもらえたら嬉しいなと思い、
フランスの古布の再現に選んだのはそちらの織物でした。
それは今から2年前。
初めてのことでしたので、どうなるのかなと期待と不安でいっぱいで作業は始まりました。
織り柄はアンティーク生地に忠実に再現を。
そして糸は夏に涼しく着て頂けるようにと、シルクではなく植物の繊維と化繊を混ぜたもので、シルクに近い光沢が出るように。
色も残してあった端切れを解体し、分析をし、できるだけ古布に近い色を作っていただいたり。
その時に織ったものは淡い桃色の生地でした。
ページのはじめに掲載した写真はその時の生地です。
一番左端がアンティークのシルク生地、中央が再現をした生地。(桃色)
そして右端は今回、中央の生地を黒く染め上げたものです。
黒い色味が魅せる表情もエレガントにシックに。
そしてせっかく洋服を作るのだから、心躍る洋服をと思い、その時の自分の好きをギュッと詰め込みます。
毎回一番に気に入っているのは、きっと私。(笑)
首周りをアクセサリーで飾りたい時、肩が凝りやすかったり、アレルギーがあったり。なかなか、アクセサリーを付けれないという話も耳します。そのような方にもチョーカーのように首周りを背中からリボンを回して飾ったら素敵かしら、肩もこらないかも、背中でリボンを少し長めに結べても素敵と、ささやかな楽しみも加えて。
そして、嬉しいなと思う事のひとつは、幅広い年齢層の皆さまに手に取っていただけること。
20代の彼女達は可愛らしく、歳を素敵に重ねた50-60代の女性たちは、エレガントにかっこよく着こなしてくださり、一枚の洋服から美しさや輝く個性を感じさせて頂け、私達はわくわくしています。
また洋服を作る中で、大切に考えているのは、生地も洋服もたくさん作りすぎて破棄をする事はしないことです。
大切な資源や環境に配慮する事は、大切な事。そこは今までもこれからもしっかり考えて製作をしていきます。
はじまりの桃色の生地も洋服の枚数を限定して製作をしました。そして残りの生地は、また次の製作へと大切に保管し、その保管していた生地を、今回は黒に染め直し、デザインも新たに。最後まで生地を全て使い切り、仕立てました。
販売ができる数だけ。
着て頂ける人の顔を思い浮かべながら。
全てがちょうど良く巡り、それがとても気持ちよく、嬉しく。
袖を通してくださる皆さんが喜んでくださる様子もとても嬉しく、たくさんの洋服が旅立ちました。
残りが本当に僅かになってきましたので、ぜひ気に入ってくださる方の元へ旅立ってくれたら嬉しいなと思います。
そして、アンティーク生地のパンツをたくさん履いてくれた彼女。
桃色の生地で洋服を作ったとき、とても喜んでくれ、そして黒染めの洋服もまた喜んでくれて、それもとても嬉しかったです。
誰かを幸せにできる洋服作り。
たくさんはできませんが、これからもゆっくり愉しみながら、仲間たちと続けていくことができたら嬉しいなと、また近い未来をたのしみに。